| [2拍4拍を自然に感じる]
今回はリズムの感じ方について考察してみましょう。
リズムはよく「体で感じる」といいますが、それは当を得ていると
いえるでしょう。
何故ならリズムは知識として理解していても数学的に答えを出せません。
結局その人自身の持つ感覚によって出てくるものだからです。
まれに、根っからの「リズム音痴」という人もいます。
そこまでいかなくても、このような人たちは訓練によって状況は
良くなるのでしょうか。
はい、ある程度。そう、ある程度は良くなると思います。
しかしこのような人が訓練によって最高に良いリズム感の持ち主に
なることは。。。
恐らく無いでしょう。
そうです。残念ながらリズム感の良し悪しは
「天性」の持ち前によるところが大きいのです。
でもあきらめないでください。
音楽は誰でも公正に楽しめるようになっているのですから。
ジャズのリズムを勉強する際に最も重要な事は、
「4ビート」のリズムにいかに乗れるかということでしょう。
「4ビート」ほど奥が深いリズムは無いといっても過言ではありません。
昔はロックを歌っていたというあるジャズボーカルを勉強中の女性は、
ジャズの曲を歌う時に1拍3拍に指を鳴らして歌っていたので
注意しましたが、これが実は最も重要なことなのです。
根本的に「4ビート」は2拍4拍目にビートを感じます。
(ドラムのハイハットと同じ)
これがいわゆる「OFF BEAT」です。
ロックやポップス、演歌などは反対に1拍3拍にビートを感じます。
それでリズムの感じ方が「逆」だという事がお解りいただけましたか?
少し乱暴な発言かもしれませんが、ロックなどを長いこと演奏していたら、
ビートに1.3の感覚癖がついてしまうので、ジャズは演奏出来ないのです。
ピュアな4ビートのジャズでは、音符がしっかりはまっているかどうか、
聴く人が聴けばすぐに解るのです。
私が以前ジョージ・ベンソン(g)のジャズ演奏について指摘したのは
その点でした。
http://miyanoue.net/monthly/report0403.html
ではどうしたら4ビートを習得できるでしょうか。
毎日ネイティブなジャズの演奏を聴いて、手で机でも叩いて
そのリズムに乗る。
あるいは、インチキなソロでもいいから合わせて演奏して、
とりあえずリズムと雰囲気をつかむようにするといいでしょう。
言うのは簡単ですが、実行して4ビートのリズム感を
自分のものにするまでには、気の遠くなるような時間が
必要かもしれません。
ここで励みとなる一つの経験をお話しましょう。
大学のジャズ研に所属していたあるドラマーは長い間ロックを
叩いていました。
ジャズ研で研鑽を積み、かなりのテクニックを付けて学園祭などで
活躍していました。
ジャズ研仲間では羨望の的となっていた彼でしたが、
その演奏を聴いていたあるプロミュージシャンが、
初めて会ったにもかかわらず、「君はずっとロックを叩いていたんだね。。」と言って、
「君のプレイはビートが1.3にあるのでジャズの雰囲気を感じない」と言いました。
しかしそのプロミュ−ジシャンは彼の実力と才能、将来性を高く評価していたので、
ドラマー欠員に伴い、長い目で見て彼を自分のバンドに入れることを決意しました。
4ビートはまだまだだと思っていたので、初仕事としてボサノバ系、
つまり1.3にビートのある仕事でデビューさせました。
彼の初仕事は何とレコーディングだったのです。
このドラマーが現在若手No.1のスモーキンの太田耕平であり、
プロミュージシャンとは私自身、彼の初仕事となった
記念すべき作品が〈イリュージョン:伊藤実千代〉です。
ちなみに太田耕平の頭の中には、もはや4ビートしかありません。(笑)
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